債務不存在確認訴訟と債務額確定調停について

MENU
債務不存在確認訴訟と債務額確定調停について

債務不存在確認訴訟とは

債務不存在確認訴訟とは、権利の存否について争いがある場合に、その権利について義務者とされている者が原告、権利者であると主張している者を被告として、被告の主張している原告の債務が存在しないことの確認を求める訴訟です。

一般の民事訴訟と異なる

原告が債権を主張して訴訟提起に至るのが通常の民事訴訟ですが、債務不存在確認訴訟では原告が債務の不存在を主張し、一方で被告が債務の存在を主張することになりますので、訴訟物の特定や証明責任の所在、給付訴訟との関係など様々な問題が生じます。

交通事故での債務不存在確認訴訟

交通事故の場合も、保険会社がこのような訴訟を提起することがあります
すなわち、被害者の障害の程度からみてあまりにも通院期間が長くかかり過ぎているなどの理由で、賠償の範囲を制限するために債務不存在確認訴訟を提起するわけです。
通院期間が長期化すれば、医療費が高額になるだけではなく、入通院慰謝料や休業損害も高くなりかねないからです。
また、訴訟となれば被害者側にも弁護士がついて、訴訟の中で合理的な話し合いができることも期待されます。

債務額確定調停

しかし、医師の指示を受けて治療中である被害者に対して訴訟を提起すると、被害者にも費用や手間の面で負担をかけてしまいます。
また、被害者が被告になるということは、精神面でも負担をかけます。
そのため、保険会社から提起するこのような訴訟には弊害が多く、裁判所サイドも保険会社にクレームを出さざるを得なかったのです。

 

 

債務額確定調停のメリット

そこで、現在では保険会社は債務額確定調停を申し立てるようになりました。
これは、債務不存在確認訴訟の調停版とでもいうべきものです。
交通事故の場合でいうと保険会社が申立人となって、相手方である被害者に対して支払うべき債務の額を確定することを求める調停です。
訴訟とは異なり、被害者が弁護士を立てなくても対応することができますし、調停委員が間に入って穏やかに問題を解決することが可能になる点でメリットがあるといえます。

 

とはいえ、被害者が何度か無断で調停に欠席したり、調停が不調に終わったりすれば、結局保険会社は債務不存在確認訴訟を提起することになりますので、その場合には先に述べた債務不存在確認訴訟の弊害が生じることになります。