脳脊髄液減少症と損害賠償の方法

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脳脊髄液減少症と損害賠償の方法

脳脊髄液減少症とその認定

脳脊髄液減少症とは交通事故などで引き起こされる後遺症の一つとされており、硬膜やくも膜といったような部分に穴があき、脳脊髄腔内にある脳髄液が漏出することによって発生する症状です。
かつてまではこの脳脊髄液減少症を発症したとしてもそれが認められるというケースは少なく、交通事故の賠償をめぐって裁判を起こしても、それが認められないままになってしまうということが多々ありました。
しかし平成22年には、厚生労働省が脳脊髄液減少症の検査が保険適用になる見解を示して研究班を立ち上げ、平成23年以降には脳脊髄液減少症を認める判例がかなり増えてきています


裁判で認められるポイント

では脳脊髄液減少症として裁判に認められるには、どういったポイントに注意をすればよいのでしょうか。

症状を発するのに相当程度の重大さがあること

まず最初に注意をしたいのが、「事故の状況に、症状を発するのに相当程度の重大さがあること」です。
この症状が認められた判例においては、顔面部や腰椎の骨折など、脳脊髄液が漏出することが認められるような強い衝撃があったことが証明されています。
そのため、症状を認めてもらう際には「症状が出るような重度の事故であった」ということを主張する必要があります。

起立性の頭痛や、体位変動性による症状

次に「起立性の頭痛や、体位変動性による症状が認められること」も重要な条件です。
症状が認められた判例においては、どれもこれらの症状が出ているということが共通しており、同時にこれら症状は脳脊髄液減少症の前提症状とされています。
そのためこれらの症状が無いというようなことになると、認めてもらうことは非常に厳しくなるでしょう。

脳髄液・造影剤の漏出所見

また「RI脳槽シンチグラフィーによる脳髄液の漏出所見」と「CTミエロ・脊髄MRIミエログラフィーによる造影剤の漏出所見」も重要です。
これらの検査は病院で実施されるものとなりますが、これら検査における漏出が確認できない場合、症状が発症していることを認めることは困難です。

ブラッドパッチ療法

そして最後に「ブラッドパッチ療法で症状が改善すること」が必要です。
ブラッドパッチ療法は患者から採取した静脈血を硬膜と背骨の間にある脂肪組織に注入する治療法ですが、この治療法による改善が認められることも、判例の傾向を見る限りは重要なこととなります。

 

こうした判断については個人だと困難なものとなりますから、もし症状が出ている場合には弁護士と連携して主張をするようにしましょう